国道333号 端野峠
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◆概要
国道333号 端野峠 (写真拡大
  

 
国道333号は、北海道旭川市を起点として北見市に至る国道である。途中、標高830mの北見峠を始めとして、旭峠、ルクシ峠、端野峠と4つの峠を越えるが、近年の道路整備は著しく、北見峠は並行する国道450号旭川紋別道の北大雪トンネル、他の3つの峠も旭野トンネル、サロマトンネル、端野トンネルがそれぞれ開通しており、現在は快適な峠越えが可能となっている。

ここで紹介するのは、1993年8月にトンネル開通前の端野峠を越えたときの記録である。当時、既に端野トンネルの建設工事が終盤を迎えており、トンネル開通を間近に控えた峠越えであった。
 

◆走行記
 
1993年8月25日、14:30、生田原町で国道242号から端野方面に向かう国道333号に入った。すると、間もなく「旭トンネル 高さ制限4.0m」という標識が現れた(写真1)。しかも、標識の支柱には、「予告 高さ4m以上の車輌は絶対通れません」と書かれた立看板も。通行車に対する道路管理者の強い訴えが感じられる。

件の旭トンネルは、予告看板から想像するほど狭いトンネルでもなかった。トンネル内での普通車同士の離合は問題なく、大型車同士の離合が難しいという程度である。

旭峠からの下り道で今回のツーリングのキタキツネ第1号を発見。すかさずバイクを止めて写真撮影を試みたが、残念ながら逃げられてしまった。この辺りは観光地でないせいか、ちゃんと人を怖がるようである。

佐呂間町若佐の集落を過ぎると、今度はルクシ峠越えにかかる。とはいっても道路はよく整備されており、さらに展望の良さもあって、走っていて非常に気持ちがよい。峠のサロマトンネルの手前に展望スペースがあったので、バイクを停めて写真撮影(写真2)。ついでに遠軽のコンビニで買っておいた弁当で遅い昼食タイムとする。その間30分ほどだったが、バイクは1台も通らない。やはりこのルートは、ライダーにはあまり馴染みがないようである。
 

1 旭トンネルの制限予告標識 (写真拡大 2 ルクシ峠の展望スペース
 
ルクシ峠の次は、いよいよ最後の峠、端野峠である。北見市仁頃の道道交点から1kmほど走ると、いきなりびっくりマーク標識が現れた(写真3)。標識の下には「砂利道 この先100m」とある。この先直進方向は既に舗装された新道が延びているのだが、その道路上に「端野 右方向」の大きな看板があり、現道は右折方向へ誘導されているのである。

誘導に従って右折すると、ほどなく「砂利道走行注意」の標識とともにダートが現れた(写真4)。遂にダートの峠越えである。交通量が比較的多いにもかかわらずこの時代までダートが残ったのは不思議な感じもするが、新道建設の計画との兼ね合いで舗装化が見送られたのであろう。
 

3 突然現れたびっくりマーク標識 (写真拡大 4 ダート開始地点 (写真拡大
 
いざダートに突入すると、幅員は2車線分確保されている上、路面も安定しており、さすがによく整備されているという印象である。ただ、その恩恵は普通車にとって大きいのであって、オンロードバイクが走りにくいということに変わりはない。逆に、通行車が比較的多い上に、どの車も結構飛ばしているので、たびたび砂ぼこりを浴びせられるという難点があり、整備されたダートというのも考えものである。

ダートに入って2.6km走ったところで端野峠に到着。ダート区間初の国道標識のほか、立派な市町村標識も立っている(写真5)。峠から端野町側の眺めもなかなかのもの。ちょうど「端野峠」と書かれた大きな標柱が立っていたので、バイクを入れて記念撮影した(写真6)。
 

5 端野峠に立つ国道標識と市町村標識 (写真拡大 6 「端野峠」の標柱 
 
峠で一服したのも束の間、峠からの下りではさらなる試練が待っていた。カーブで路面が内側に傾斜していて、なおかつ深砂利というオンロードバイクにはかなり酷なシチュエーションが現れたのである。カーブで内側に傾斜させるというのは車にとって好都合なのは分かるが、ダート道をゆっくり走るオンロードバイクにとっては迷惑以外の何ものでもない。それと砂利も必要以上に撒かないで欲しいという感じである。

とりあえず転倒という最悪の事態が起こることなく、無事、端野町側の新道合流地点までたどり着いたが(写真7)、疲労感だけが残った峠越えであった。なお、工事区間を除くダート総延長は4.9kmであった。
 

7 端野町側の新道合流地点
 
◆付記
 
2003年9月4日に国道333号を再訪し、ここに掲載している写真の一部について定点撮影を行いました。その写真を「国道定点撮影」の国道333号にまとめましたので、どうぞご覧下さい。
 

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