国道306号 鞍掛峠
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◆概要
国道306号のダートを行く
  
 

 
国道306号は、三重県津市と滋賀県彦根市を結ぶ国道で、三重・滋賀県境に横たわる鈴鹿山脈を越える部分が鞍掛峠である。峠には1972年に延長745mの鞍掛トンネルが開通しているが、トンネルは標高625mに位置し、トンネルの前後の区間は山岳国道の雰囲気が漂っている。1993年5月に鞍掛峠を越えたときには滋賀県側にダートが残っており、当時、近畿地方では貴重なダート国道の生き残りであった。

現在は舗装化が完了しているが、峠越え区間は2車線ながらタイトコーナーが多く、また冬期の道路閉鎖とも相まって、主要ルートになるまでには至っていない。
 

◆走行記
1 鞍掛トンネル入口の工事通行止を示す看板 (写真拡大 
2 鞍掛トンネルから2〜3km下ったあたり
3 180度向きを変え東向きに進むあたり

 
1993年5月1日、千葉から大阪へ向けたツーリングは2日目を迎えた。今日は岐阜県中津川市を出発し、最終目的地の大阪を目指す。

今回のツーリングは、2週間前に納車されたばかりのZeal号による初ツーリングである。慣れないバイクでいきなり長距離を走ったせいか、お尻やクラッチ操作をする左手が痛く、頭に思い描いていた快適なツーリングからは程遠い状態である。

関ヶ原町から国道365号を南下し、15:25、鞍掛峠に向かう国道306号に入った。

最初は1.5車線区間があったが、後に2車線となり次第に標高を上げていく。2車線といってもタイトコーナーの連続で、地元の走り屋ライダーが行き来する中を走る格好となった。

国道306号に入って15分ほどで峠の鞍掛トンネルに到着したものの、トンネル入口には工事による通行止の看板が立っていた(写真1)。工事期間を見ると、平成2年12月〜平成5年9月となっており、もう随分と長い間工事をやっているようだ。しかし、通行止のバリケードの右側は車が通れるようになっていたので、先に進んで様子をうかがってみることにした。

鞍掛トンネルを抜けると、2車線幅ながらダートとなり、ほどなく工事現場が現れた。ちょうど近くにいた作業員の人にダメもとで「通ってもいいですか」と聞いてみると、あっさりと「いいよ」との返事。工事現場を見る限り、あまり一般車が通れるような雰囲気ではなかったのだが、ありがたく通行させてもらう。ただ、路面がかなり荒れていて、慣れないバイクということもあり、転倒しないかとヒヤヒヤものだった。

工事区間を過ぎても道は2車線ダートのまま(写真2、3)。路面は良くなったものの、舗装路に比べて走りにくいことには変わりがなく、徐行で峠道を下る。

そして、トンネルから約40分かかって、ようやくダートが終了。ダート延長は工事区間も含めて5.9kmであった。
 

◆付記
 
2005年11月23日に国道306号を再訪し、ここに掲載している写真について定点撮影を行いました。その写真を「国道定点撮影」の国道306号にまとめましたので、どうぞご覧下さい。
 

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