兵庫県道427号
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◆概要
●路線名:坊勢島線
●島名:坊勢島(ぼうぜじま)
●所在地:兵庫県姫路市
●撮影日:2011年12月12日
◆写真紹介
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姫路港を13:00に出港した坊勢汽船の高速船「ぼうぜ1」は、途中、男鹿島(たんがじま)に寄港した後、13:30に坊勢島に到着。
 
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坊勢島は姫路市の沖合、播磨灘に浮かぶ家島諸島を構成する島の1つで、2006年3月の市町村合併により行政区域が家島町から姫路市となった。人口約3000人は家島諸島の中では家島に次ぐ第2の規模で、乗船場付近に立つ島の案内板には、「若者が多く残り漁業を支えている全国でも珍しく活気あふれる島」との紹介文も。確かに先ほどの高速船から高校生の集団が降り立つなど、近年、多くの島々に共通する「過疎化」をあまり感じないというのがこの島の第一印象である。
 
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人口規模を物語るように乗船場の前には飲食店も。すでに姫路駅隣接の飲食店街で昼食は済ませてきてはいるが、来島者にとっては食事の選択肢が広がるというのは有難い。
 
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こちらは乗船場から少し歩いた所にあった島の案内地図。今回の来島目的である県道427号は道路地図によると島の海岸沿いを中心に設定されているが、一部は海岸線から離れ案内地図で「長井」と書かれた集落内に延びているように見える(案内地図上に県道ルートを黄線で表示)。そこで、まずは「長井」集落内に足を踏み入れることにした。
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海岸線から一歩、内陸に入ると、そこには起伏に富んだ住宅密集地が広がっていた。写真の道路は車1台が何とか通れる幅員だが、分岐する道路は車が入れない路地ばかりで、これでも集落内ではメイン道路である。
 
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「メイン道路」を進むと道路中央に鎮座する井戸らしきものが出現。ちょうど三叉路になっていて、交差点に面して商店も建ち、集落内においてはランドマーク的な場所のように見える。しかし、道路地図上の県道開始地点にはまだ早く、現に県道を示す物証も見当たらない。
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[6]地点を直進し、さらに集落内を歩くと商店がもう1軒現れた。どうやらこの付近が道路地図上の県道開始地点のようなのだが、やはり県道を臭わせるものは確認できない。この先は県道であると信じて歩くしかなさそうである。
 
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相変わらずギリギリ1車線幅のメイン道路は、商店を過ぎると次第に下り坂に転じる。
 
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写真は道路沿いで見かけた駐輪場。何か違和感があると思ったら、どうやら1台毎に駐輪場所が指定さているようだ。ここまでの島内探索ですでに気付いていたのだが、実はこの島の移動手段の主役は車でもなければ自転車でもなくこのスクーター。アップダウンの激しい集落内の狭い路地を行き来するにはスクーターが最適なのである。
なお、この集落内で、なんと原付スクーターに3人乗りする女子高生を見てしまった。同じ国内なのにまるで異文化に接する気分である。
 
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坂を下り切ると前方には「一時停止」の標識。その奥には海面が覗いており、どうやら海岸道路に突き当ったようだ。
 
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写真は海岸道路との交差点を右折した方向を撮影したもの。右側が集落で左側が海岸である。海岸道路は1.5車線幅が確保されていて、ようやく県道らしい姿になったと言える。
 
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しかし、左手に漁港を見ながら歩みを進めてみても県道標識はおろか標柱やキロポストの類も確認できない。
 
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写真左の茶色の建物は公衆便所。公園があるでもなく、少し唐突感があるが、特に来島者には有難い存在である。
 
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そのうち、道路は海際に躍り出る。島の東海岸に当たり、家島や男鹿島を望みながら、のんびりと海沿いを進む。
 
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この付近は集落から外れているため、交通量も少なく、時折バイクが通りかかるのみ。
 
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前方から大きな建物が近づいてきたと思ったら、坊勢スポーツセンターだった。この島の活力を象徴するような立派な立面である。
 
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スポーツセンターから少し歩くと、海岸道路は西ノ浦集落に入った。道路地図では県道はこの集落内で終端となるが、結局、最後まで県道の証拠を得ることはできなかった。
さて、実は西ノ浦集落と長井集落は隣接しており、写真前方の高台の反対側に高速船乗り場が位置している。そこで、帰りは高台に登って、集落内を散策しながら高速船乗り場に戻ることにした。
 
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写真は高台の頂上付近から眺めた長井集落。撮影場所付近には坊勢小学校があり、長井・西ノ浦どちらの集落からも文字通り坂道を登っての登校となる。
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再び長井集落内に入ると、路地に面した家島坊勢郵便局を発見。路地に面した郵便局との出会いは大分県の保戸島に次いで自身2例目である。
 
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写真中央の白い建物が郵便局。島外の人間にとっては、よもや郵便局が現れようとは絶対思わない立地である。
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次第に夕刻も迫ってきたため、集落内の路地を縦横無尽に行き交うスクーターを眺めながら乗船場へと向かう。
 
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帰りは、15:25出港のラピート桂「はるか」に乗船。県道探訪としては大した収穫もなかったが、アップダウンのある路地歩きを十分に楽しめた離島訪問となった。

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