愛媛県道177号(3)
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◆概要
●路線名:大下白潟線
●島名:大下島(おおげしま)
●所在地:愛媛県今治市
●撮影日:2009年5月3日
◆写真紹介
[1]
愛媛県道177号(2)で紹介した小大下島を15分遅れの10:22に出港した高速船は、俊足を飛ばし、ものの5分で大下島西端の竹子ノ鼻をかすめた。断崖上には白亜の灯台。灯台からの眺めは良さそうだ。
 
[2]
港内で速度を落とした高速船はそろりそろりと桟橋に近づき、10:30、県道177号三部作のトリを飾る大下島に到着。大下島の人口は約150人で、見た目にも小大下島よりも民家が多い。
 
[3]
道路地図によると、大下島島内の県道177号は、乗船場付近からヒゲのようにちょろっと東側に延び、東海岸に到達する前に終端(正確には県道起点)を迎えているようにも見える。まずは、島内県道西端と思われる写真の場所へ。乗船場からは徒歩1分圏内である。周辺に目を配るが県道の物証は発見できず。
 
[4]
[3] の右側に写っている大下小学校の正門。普通に表札が掛っているが、校舎の壁時計が壊れていることに気付き、廃校であることを理解した。
 
[5]
こちらは小学校の横に建つ大下中学校の木造校舎。校舎前の石碑には「大下中学校跡」とあり、やはり廃校である。時期的には中学校のほうが先に廃校になったようだ。離島が直面する過疎化問題を垣間見る思いである。
 
[6]
乗船場前の177号。ゆったりした幅員と路側帯線の存在が県道の風格を漂わせている。
 
[7]
港湾沿いに僅かに北上すると、火の見櫓の建つ広場へ。正面の白い建物はJA越智今治の支店で、入口横に小大下島にはなかった飲料の自販機がある。
 
[8]
[7]地点で視線を右に振ると鳥居があり、その延長線上には神社(早津佐神社)の社殿が。鳥居の周りがガランとしていて、なんとなく間が抜けたレイアウトである。
 
[9]
神社社殿方向に近づいて、さらに右側をのぞくと、集落内へと続く細道が。県道の進むべき方角であることは確かなのだが果たして・・・。
 
[10]
[9]の写真で赤くチラリと写っているのは軽の消防車だった。狭い路地を多く抱えた離島ではその機動力を遺憾なく発揮できそうである。
 
[11]
件の集落内道を進むと、県道らしさはすっかり影を潜めた。半信半疑でたどるしかないが、これでもこの集落ではメインストリートである。
 
[12]
道路沿いには昔ながらの木造家屋も多い。写真は民家に挟まれた路地の風景。
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[13]
集落内を2〜300m歩いたところで、「メインストリート」は右方向へ屈曲。ちょうど正面にはお寺(法珠寺)がある。
 
[14]
[13]地点から数十mで今度はT字路へ。方角的に県道は左折方向に違いないのだが、そうなると右折方向の道も県道の可能性を疑わねばならない。そう、今たどってきたルートが県道である確証はないのである。
 
[15]
右折方向の道を確認する前に、[14]に写っているカーブミラーの支柱に重要な発見があった。「愛媛県」のシールである。大下島に上陸して初の県道の物証であり、たった1枚のシールながら、県道探訪においてこの存在は大きい。
 
[16]
そして、これが右折方向の道。確かに[6]の乗船場付近まで延びていたが、明らかに道路スペックは落ち、路地に毛が生えた程度である。県道の物証もなく、ここではあまり深入りしないことにした。
 
[17]
[14]地点まで戻り、東海岸方面に向けてさらに前進する。すると民家の解体現場に出くわした。いわゆる土壁のため、壁を倒したときの土埃がすさまじい。作業の合間を見計らって通過させてもらった。
 
[18]
少し進むと、民家が途切れ集落を脱出。道幅はそのままで上り坂となる。先ほどのカーブミラー以降、県道の物証は標柱、ポールを含めて現れる気配がない。
 
[19]
島内県道西端から歩き始めて約40分で、道路はピークと思われる地点に到達。
 
[20]
ピーク地点の前方には東海岸の海が広がった。時間はすでに正午近く、眺めも良いことだし、持参のおにぎりで昼食とする。
 
[21]
昼食・休憩の後、坂道を下ると、道路は東海岸の周回道路に合流した。すでに紹介したように、道路地図では県道は東海岸まで到達していないように見えるが、案の定、この地点には県道の起点を示すものは何一つ見当たらなかった。かと言って、歩いて来る途中に明確に起点と分かる場所があった訳でもない。岡村島、小大下島、そして大下島と三島にわたって県道177号を追ってきたが、肝心の起点が判然としないという何とも締まりのない結果となってしまった。
 
[22]
[21]地点からは、海岸沿いの周回道路で島の南端を回り、乗船場まで戻ることにした。写真は島の南端のアゴノ鼻灯台。
  
[23]
瀬戸内の穏やかな海を見ながらゆっくり歩いて、12:50、再び乗船場へと戻る。今治行フェリーの出港まであと1時間弱あり、行きの高速船上から見た島の西端、竹子ノ鼻にある灯台に行くことにした。灯台までは写真のように遊歩道が通じている。
  
[24]
乗船場から約10分で目指す大下灯台に到着。一目見ただけでその重厚感が伝わってきたが、銘板で明治27年5月初灯という歴史ある灯台であることを知った。少し意外な感じもしたが、位置的には古くからの瀬戸内海航路の要衝だったということだろう。
  
[25] 
灯台越しにこれまで県道177号をたどってきた小大下島、さらに奥の岡村島を眺める。県道の起点は判然としなかったものの、三島を巡った県道歩きの締めくくりには相応しい眺めだった。
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