ホーム>離島都道府県道探訪> |
◆概要 |
●路線名:大下白潟線 | |
●島名:小大下島(こおおげしま、こおげしま) | |
●所在地:愛媛県今治市 | |
●撮影日:2009年5月3日 |
◆写真紹介 |
[1] 愛媛県道177号(1)で紹介した岡村島訪問から約1年、岡村島から海を隔ててさらに小大下島、大下島(おおげしま)の2島に繋がる県道177号の残りの区間を探訪すべく、今治港にやってきた。朝一番の今治港7:36発、大下島、小大下島経由岡村島行きは高速船の「第三徳海」号で、所要時間はフェリーの約半分。しかしながら、運賃は高速船、フェリーともに同額なので、乗り得便である。大型連休初日ということもあり、高速船にはほぼ満席となる乗船客が乗り込んだ。 |
|
[2] 今治港を出港して約10分後、「しまなみ海道」の来島海峡大橋をくぐる。この来島海峡大橋を含む「しまなみ海道」の全橋梁は125cc以下のバイクや自転車、歩行者も通行可能で、前回は岡村島から今治港到着後、125ccバイクでこの橋の「原付専用道」を通り、大三島に向かっている。 |
|
[3] 高速船は今治港から30分弱でまず大下島に寄港。今日は、大下島、小大下島の2島をまとめて訪問する予定であるが、島の並びは西側から岡村島、小大下島、大下島の順。今回は岡村島の続きということで、まずは小大下島に向かうべく、大下島下船は見送る。 写真は、大下島出港後に近づいてきた小大下島の全景。島の東岸が見えており、高速船が到着する島の玄関口はこの裏側になる。 |
|
[4] [3] 地点から島の北側を廻り込み、今治港から所要時間約40分で小大下島港へ。小大下島の人口は現在数十人規模で、船上から眺めただけでも島の民家が少ないことが窺えた。都道府県道が通じる島の人口としては異例の少なさといえるが、実はかつて大手セメント会社の鉱業所が立地し、人口も現在の10倍以上だったというから、県道の存在も不思議ではないのである。 |
|
[5] 高速船から降り立ったものの、島の玄関口としてはやはり寂しい印象。今やどこに行ってもありそうな飲料の自動販売機もここには見当たらない。 |
|
[6] さて、手持ちの道路地図によると、島内県道は島の西端から東岸までほぼ東西に横断するルートとなっている。そこで、まずは岡村島側となる島の西端まで移動する。写真は道路の末端を撮影したもの。道路地図では、この末端部分から既に県道表記となっているが、現地では県道の物証となるものは確認できなかった。 |
|
[7] [6]地点から西側の岡村島を望む。前回訪問した岡村島の島内県道の東側末端はちょうどこの対岸に当たり、対岸の県道標識も米粒ほどの大きさながら確認できた。 (写真拡大) |
|
[8] 8:40、島の西端から東岸に向け、県道探訪を開始する。とはいえ、県道の物証が出現するまで、「県道であると信じて」たどるしかない。 |
|
[9] 僅かな海沿い区間の後、内陸部へと進路をとる。幅員はちょうど1車線しかなく、道路スペックとしてはかなり低い。 |
|
[10] [9]地点の先で道路はすぐに集落内へ。幅員は1車線のままである。 |
|
[11] さらに進むと、乗船場へと続く海沿いのストレート区間に出て、幅員も1.5車線にレベルアップする。 |
|
[12] そして、西側末端からものの10分余りで再び高速船を降り立った乗船場前に帰着。結局、ここまでの間、県道の確証は全く得られずじまい。後半の東側区間に期待するしかない。 |
|
[13] 乗船場近くにはこのようにベンチが置かれ、この後、島のお年寄りが腰を下ろして談笑する姿も見られた。奥には廃品利用と思われるソファーが海に向けて置かれており、海をぼんやり眺めるのに良さそう。 |
|
[14] 乗船場から数十m歩いたところで、ようやく出ました「愛媛県」の標柱。 (写真拡大) |
|
[15] いつの間にか幅員も余裕の1.5車線オーバーにまで拡大している。よく見ると、消えかけてはいるが、路側帯線も引かれている。先ほどの島の西側との道路スペックの差は明らかで、単に過去の改修の有無による差なのか、それとも県道指定の有無にまで関わる差なのだろうか。 |
|
[16] [15]の右下に写っている花の群生に近づいてみると、何と愛媛県の標柱が花々に囲まれて鎮座していた。島民の方が意識的に標柱の周りに種を蒔いたのか、それともたまたま群生になっただけなのか定かではないが、いずれにせよ、これほど絵になる道路標柱も珍しい。 (写真拡大) |
|
[17] なおも県道を進むと、前方に島内県道最高所と思われるピークが見えてきた。この付近では愛媛県のポールも現れ、もはや県道の物証には事欠かない。 |
|
[18] ピークを過ぎると島の東岸が近づき、島内県道の終わりを予感させる。写真の煙突は歴史を感じさせるレンガ製のもので、前述の鉱業所関連の遺構だろうか。 |
|
[19] 乗船場から歩くこと約15分、比較的急な坂を下ると、県道は海によって進路を阻まれた。突き当たりからは一応、左右両方向ともに海岸レベルまで道が延びているものの、いずれも数十mで行き止まり。海を隔てた前方には、この県道がさらに続く大下島が横たわり、予想外に印象深い島内県道の幕切れである。 |
|
[20] 写真は[19]地点を左折した先の様子。民家の手前で舗装路は途絶えている。 |
|
[21] [19]地点から改めて大下島を望む。岡村島−小大下島間は目と鼻の先の距離だったが、小大下島−大下島間は最短でも1km以上の隔たりがある。 (写真拡大) |
|
[22] 小大下島の県道探訪は以上で切り上げ、来た道を島の中心部まで戻る。次の大下島行き高速船の出港まで約30分あり、付近をぶらぶら。漁村らしく、表通りを外れると、写真のような路地が中心である。 |
|
[23] 出港時間の10:07となっても高速船は一向に到着する気配がなく、「まさか欠航か」と少し焦ったが、10:20を過ぎてようやく船のエンジン音が近づいてきた。近くにいたおばあちゃんに「来ないかと思って焦りましたよ」と軽く苦笑いし、次なる目的地、大下島へと向かった。 |
ホーム>離島都道府県道探訪> |