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◆概要 |
ここで紹介するのは、1998年11月に姥神峠の登山道を越えたときの踏破記録である。距離的にも短く、楽に越えられるであろうと臨んだ峠越えであったが、途中、意外な形での難所が控えていた。 |
◆踏破記 |
神谷集落の車道終点(写真1)では2年前と同じように「怖がり犬」が2匹出向かえてくれた。そばの民家で飼われている犬なのだが、見知らぬ人間が相当怖いらしく、犬小屋横の斜面に滑り落ちんばかりに身をひそめてこちらを伺っている。こちらが近づくと全身の震えが止まらないほどで、番犬どころの話ではない。 デイバックに必要な物を詰め、10:20、いよいよ姥神峠に向けて登山開始。今日は朝から曇り空だったが、雲間からは薄日も射してきた。 |
1 神谷集落の車道終点 (写真拡大) この先、国道361号は登山道となって続いている。 |
橋のない沢を渡ったあとは九十九折の急登区間も現れるが、ハイキング気分で歩けばそう苦にもならない。登山道には落葉が敷きつめられていていい雰囲気である。 そんな中、突如、周囲の景色が一変した。木材伐採現場が出現したのである(写真3)。登山道上には何十本もの木材が倒されたまま放置されていて、歩きにくいことこの上ない。おまけに、この付近の登山道は九十九折が続くため、ルート自体が倒された木材で分かりにくくなっている箇所も。踏み跡を慎重に追いながら何とか前進するが、これは少々ひどすぎる。おかげで当初のハイキング気分は完全に吹っ飛んでしまった。 |
2 紅葉の中に延びる登山道 (写真拡大) |
3 木材伐採現場 (写真拡大) |
登山道の傍らには日義村観光協会設置の道標も立っており、「姥神峠頂上」の文字がうれしい(写真5)。道標が整備されているということは、やはり登山あるいはハイキングコースとして認知されているということなのだろうか。道標によると、峠から少し尾根を登ったところから御嶽山も望めるようだが、今日の天気では無理であろう。 10分間の休憩の後、11:15、楢川村羽渕に向けて峠道の後半へ踏み出した。 |
4 姥神峠頂上 (写真拡大) | 5 峠に立っている道標 (写真拡大) |
しばらく進むと、木立が途切れ、前方の視界が開けた(写真6)。周囲の山々には紅葉の最盛期を迎えたカラマツが多く、山全体が黄色に染まっていてなかなかの眺めである。 さらに下ると、右手下方に登山道の終点となる羽渕の集落が見えてきた。集落周辺にはカエデなども加わり、紅葉がひときわ鮮やかである。 そして、11:35、峠から約20分で遂に車道に合流(写真7)。車道との合流点には手製の道標がちゃんと立っており、「左 姥神峠を経て神谷に至る」、「右 羽渕地区道路行止り」と記されている。この道標、昔風の味わい深いもので、すっかり周囲の風景に溶け込んでいる。 |
6 紅葉の山々を望む登山道 (写真拡大) |
7 車道との合流地点 (道標拡大) カーブミラーの左を登っていく道が登山道。 |
そばには、村営バス「羽渕バス停」があるほか、紅葉した桜の大木の下に板張りの古びた公民館がひっそりと建っており、何となくローカル線の駅前を思わせる(写真8)。当然のことながら、姥神峠方面の国道361号を示す案内標識や国道標識はないが、道の片隅にさりげなく、「この先、R361は未開通」と書かれた小さな看板が立てられていた(写真9)。 |
8 姥神峠方面に向かう国道361号と古びた公民館 (写真拡大) | 9 国道未開通の案内看板 |
今回の姥神峠越えの登山道は、距離的にも手頃であり、ハイキング感覚でゆっくり歩くにはもってこいの道であると感じた。ただ、木材伐採現場の木材放置はいただけない(神谷に戻るとき踏み台にした木材が急に動き転倒してしまった)。伐採した木材は速やかに運び出すなど配慮がほしいところである。 |
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