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◆概要 |
●路線名:尾小屋尾小屋停車場線 | |
●所在地:石川県小松市 | |
●旧鉄道路線名・旧駅名:尾小屋鉄道 尾小屋駅 | |
●鉄道廃止日:1977年3月20日 | |
●撮影日:2004年7月18日 |
◆写真紹介 |
[1] 尾小屋鉄道は、北陸本線小松駅に隣接していた新小松と鉱山の町、尾小屋を結んでいた鉄道で、晩年には貴重な軽便鉄道の生き残りとして話題になった路線である。その終着駅だった尾小屋に今なお残る停車場線が今回紹介する石川県道160号である。 国道416号に立っている「直進・尾小屋」の案内標識が、県道160号の入口を示している。 (写真拡大) |
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[2] 国道416号から見た県道160号。すぐに古びた橋で小さな川を渡る。 |
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[3] 橋を渡ってすぐの左手には、真中に1本の桜の木が植えられたロータリーがあった。 |
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[4] そのロータリーには、草陰に隠れるようにして小松バスの「尾小屋」バス停が立っていた。ロータリーになっていることを考えると、ここが終点なのだろう。「尾小屋」というバス停名からすると、本来は駅に代わる町の玄関口に当たるのだろうが、それにしては余りにも寂しい。 |
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[5] それもそのはず、便数は1日に僅か3本だった。同じ区間にもともと鉄道が走っていたことが信じられない状況である。 |
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[6] ロータリーからさらに数十m歩くと、右手に昔ながらの赤い郵便ポストが見えてきた。 |
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[7] その郵便ポストの前はちょっとした広場になっていた。ポスト+広場で連想するのは、やはり駅前である。ここが尾小屋駅跡なのだろうか。 |
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[8] ところが、その広場の先には川が流れており、「きけん」の立看板で行き止まり。駅跡に見えたのは気のせいだったのだろうか。 付近を観察するうち、川の対岸にだだっ広い草地が広がっているのに気付いた。昔の駅構内に見えなくもない。川の存在がどうしてもひっかかるが、とりあえず対岸の草地の様子を確認することにした。 |
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[9] 一旦、県道160号を戻り、国道416号から先ほどの草地へアプローチ。すると、奥に1台の機関車らしきものが見えた。 |
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[10] 近づいてみると、それは紛れもないディーゼル機関車。間違いない、ここは旧尾小屋駅の構内である。 |
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[11] ディーゼル機関車の後ろには、レールも確認できた。間隔の狭い軽便鉄道のレールである。 |
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[12] さらに、そのレールを国道方向にたどっていくと、遂にホーム跡らしきコンクリートも姿を現した。 |
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[13] そのホーム跡から集落の方向を眺めた写真。そう、先ほどの郵便ポストと広場である。もちろん、足元には川が横切っているのだが、もう先ほどの広場が駅前広場だったことを疑う余地はないだろう。恐らく、鉄道の現役当時、ここに橋が架かっていたのである。その橋が鉄道廃止後に撤去され、現在のような姿になったのだろう。 (なお、帰ってから尾小屋駅の現役当時の写真を調べてみたところ、どうやら川の上に駅舎が建っていたようである。) |
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[14] ホーム跡からあらためて旧駅構内を眺める。 |
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[15] 旧駅構内から再び「旧駅前広場」へ。郵便ポスト脇に建つこの古い建物、右側面に連なる引き戸を見ると昔は商店だったのではないだろうか。昔の駅前風景の面影を残すこの建物とポストの組み合わせは、いつまでも残ってほしい光景である。 (写真拡大) |
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[16] 駅跡から先も道路沿いに集落が続いていたが、民家を取り壊した跡と思われる空地が目立ち、人影もまばらであった。 |
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[17] 集落のさらに奥にある鉱山資料館そばには、真新しい「ポッポ汽車展示館」が建っていた。展示されている蒸気機関車やディーゼルカーは、2001年に旧尾小屋駅構内からこちらに引っ越してきたそうである。車両内は見学が可能で、僅かながらも現役時代の雰囲気を感じることができた。 |
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