宮城県道217号
ホーム離島都道府県道探訪
◆概要
●路線名:出島線
●島名:出島(いずしま)
●所在地:宮城県女川町
●撮影日:2004年7月3日
◆写真紹介
[1]
本土と出島を結ぶのは、丸中金華山汽船の高速船「レスポワール」号。JR女川駅から徒歩5分のところにある桟橋から出港する。13:30の出港ぎりぎりに乗船しようとしたら、係員が「切符は?ないなら急いであそこまで走って買ってきて」と150mくらい先を指差した。30分くらい前に乗船場の確認に来たときには切符売場の案内などどこにもなく、てっきり船内で買うものだと思っていたのだが。仕方なく走り出そうとしたら、係員が「時間がないから、やっぱりいいや」と結局その場で乗船料750円を受け取った。食後すぐだったので、ヤレヤレである。
 
[2]
女川港を出港して約15分で、出島の南端にある寺間港に近づく。
 
[3]
寺間港に着岸した「レスポワール」号。この高速船は荷物運搬の役割も担っており、船の到着に合わせて集まってきた島の人々が、一輪車やバイクで一斉に荷物を運んでいく。
 
[4]
高速船の出港を見送ったあと、島の道路へと一歩を踏み出す。道路地図によると、県道217号は島のほぼ中央を南北に縦断し、北側の出島集落と南側の寺間集落を結んでいる。さらに寺間集落付近をよく見ると、港からすぐに県道というわけではなく、海から離れて内陸に入る辺りから県道となっているように見える。この写真は、港から1〜2分歩いたところにある三叉路で、右方向が海沿いの道、左方向が内陸に向かう道である。恐らく左方向の道が目指す県道217号だと思うのだが・・・。
 
[5]
果たして、左方向の道に入ってすぐのところに「終点」の標柱が立っていた。これは間違いなく県道217号の終点を示すものであろう。県道探訪をする者にとっては非常にありがたい存在である。
 
[6]
三叉路から見た県道217号。県道の両側には民家がびっしりと連なっている。この島にとっては貴重な平地なのであろう。写真右下に[5]の標柱が見える。
 
[7]
県道217号の北上を開始する。県道終点から100mほど進んでも、まだ家並は途切れない。
 
[8]
さらに100mほど進むと、ようやく最後の1軒となり、道路は登り坂となって山の中に入って行く。幅員は1〜1.5車線で十分とは言えない。
 
[9]
[8]の先はヘアピンカーブとなっており、今歩いてきた集落を見下ろしながら、さらに登って行く。
 
[10]
道路脇には「宮城県」と書かれたポールが姿を現した。県道である証拠の1つである。
 
[11]
県道沿いの道路標識は、どれも皆、年代物である。これは右カーブの警戒標識だが、判読が困難な状態になっている。
 
[12]
さらに山中の登りが続く。気温は22〜23℃と低めであるが、強い日差しが照り付けているため、体に汗がにじむ。車は時折走っている程度である。
 
[13]
そして県道終点から約20分歩いたところで、ようやく道路は緩やかな下り坂に転じた。ここが県道217号の最高所であろうか。
 
[14]
[13]の地点からさらに約10分歩くと、意外なものが目に飛び込んできた。立派な案内標識である。しかもこれから向かう出島集落は左折となっており、直進方向には「出島(旧道)」の表記が。実は事前の調査で、出島でバイパスを建設中との情報は得ていたのだが、どうやらバイパスは開通済みのようだ。
標識拡大
 
[15]
標識に従い左折すると、今まで歩いてきた道とはうって変わって立派な2車線道が姿を現した。離島都道府県道らしさを微塵も感じさせない代物である。さて、ここでは1つの決断をしなければならない。2車線の立派なバイパスを進むか、旧道を進むかである。歩きという手段、道的な面白さ、強い日差しを遮る木々の存在、どれをとってみても旧道のほうが望ましい。しかし、ここは敢えて、本来の目的である県道217号の現状の把握ということを最優先し、泣く泣くバイパスを進むことにした。
 
[16]
バイパスを約5分進むと、突然、不自然な右急カーブが現れた。この写真は、そのカーブを振り返って撮影したものである。写真前方(寺間集落方面)に見えるのは、明らかに新道建設現場である。ちょうどそばにいた工事関係者のおっちゃんに話を聞いてみたところ、やはりこの先、寺間集落方面に向けてバイパスの計画があるらしい。要するに、現在のバイパスは暫定開通で、将来的には出島集落〜寺間集落間のほぼ全区間がバイパスとなるということである。ちなみに、おっちゃんによると、現在のバイパスは今年3月に開通したそうだ。僅か4ヵ月前である。
 
[17]
右急カーブの先には、遂に県道標識が出現した。
 
[18]
退屈なバイパス区間を歩くことさらに約10分、ようやく海と出島集落が見えてきた。皮肉にも、歩道を備えたバイパス区間に入ってからというもの、ここまで通行車両はゼロであった。
 
[19]
[18]のすぐ先で旧道が合流してきた。この写真は寺間集落方面を振り返って撮影した写真で、左に分岐する道路が旧道である。
 
[20]
さらに100mほど進むと、2車線区間も終了に。
 
[21]
その後は出島集落内に入り、民家の脇を抜ける1〜1.5車線道となる。
 
[22]
そして集落内の道を2〜3分歩くと、遂に「起点」と書かれた標柱が出現。ちょうど漁協の漁村センターの建物が建っている場所で、寺間集落と同様、港からは少し離れた場所である。
 
[23]
標柱の裏側をのぞくと、ちゃんと「一般県道 出島線」と県道の路線名が記されていた。寺間集落にあった「終点」では裏側まで確認しなかったのだが、やはり同じように路線名が記されていたに違いない。なお、「終点」からの所要時間は休憩時間込みで1時間10分であった。
 
[24]
県道を歩き終わったあとは、出島港の桟橋へ。ゲートには「本土へつなぐ「出島架橋」みんなの願い早期着工」の文字があった。実は出島には架橋の計画があり、県道252号(出島竹浦線)(竹浦は本土側の地名)として既に県道指定もされているのだが、現在のところ着工の気配はない。一体、架橋の実現はいつになるのだろうか。
 
[25]
桟橋の先端から本土方面を望む。島の中央部では、本土との距離が約300mの箇所もあり、決して大きな距離ではない。
 
[26]
高速船の出港までの時間は、出島集落内をぶらぶらして過ごした。子供から「知らないおじちゃん、こんにちは」と元気よく挨拶される場面も。「知らないおじちゃん」が余分であるが、島の人たちは皆、顔見知りで、部外者はひと目で分かるのであろう。
17:02、高速船は出島港を出港した。出島集落で切符売場がないのが気になっていたのだが、島から本土へ向かう場合は、乗船料は船内支払いであった。

ホーム離島都道府県道探訪